医療法人社団 魁正会 服部胃腸科

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C型肝炎治療

C型慢性肝炎とは

C型慢性肝炎とは、C型肝炎ウイルスの感染により、長期にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の動きが悪くなる病気です。初期にはほとんど症状はありませんが、治療しないで放置していると、長い経過のうちに肝硬変や肝がんに進行することがあります。
肝硬変はウイルスによって壊された肝臓の細胞が繊維成分に置き換わり、肝臓が硬くなった状態です。肝硬変のうち、肝臓の動きがある程度保たれている状態の肝硬変を代償性肝硬変といい、さらに病気が進み、肝臓の動きが失われた状態を非代償性肝硬変といいます。現在わが国には30歳以上の100人に1~3人の割合でC型慢性肝炎の患者さん、あるいは本人も気づいていないC型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)がいると推測され、“21世紀の国民病”とまでいわれています。
C型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)の65~75%は、初診の段階で慢性肝炎と診断されます。患者さん本人が気づかないうちに、感染しているだけでなく、病気も進行してしまっていることが多いのです。

C型慢性肝炎の自然経過

C型慢性肝炎は、治療しないと10~30年後に肝硬変、肝がんに移行しやすい病気です。
肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、肝炎になっても自覚症状はほとんどありません。そのため、気付かないままおよそ20〜30年で肝がんへと病気が進んでいきます。進むスピードは個人差があり、60歳を超えると肝がんになる確率が高くなります。病気が進むと治療も難しくなります。早めに検査して、感染していないか確認しましょう。

C型慢性肝炎の治療について

C型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス療法が飛躍的に進歩してきています。1992年インターフェロン単独投与による治療が始まり当初ウイルス排除は5%程度であったのが、その後ペグインターフェロンやリバビリンの登場により50%程度まで排除できるようになりました。そして近年直接ウイルス阻害薬の開発が盛んに行われており、本邦では2011年11月から第一世代プロテアーゼ阻害薬テラプレビル、2013年12月から第二世代プロテアーゼ阻害薬シメプレビルがペグインターフェロン+リバビリンに加えた3剤併用が主流となりウイルス排除率も80%まで上昇しました。
そして2014年C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に対する経口剤のみによる治療薬、HCV NS5A複製複合体阻害剤(ダクラタスビル塩酸塩)ならびにHCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤(アスナプレビル)の経口2剤併用療法の使用が可能となりました。
経口薬のみの場合には治療前に存在する薬剤耐性変異が効果に大きく影響し、また治療不成功に終わった場合には多剤耐性になるリスクがあることを考えて治療しないといけません。今のところ経口剤による治療は、ウイルスのタイプ、インターフェロンの治療で効果が認めなかった症例など適応に縛りがあります。
当院では治療の導入は大学病院に紹介し、その後は当院と大学病院との連携で治療を行っております。

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